コーディネーターって何?後書き

過去15年間を振り返るといい思い出も沢山ありましたが、しばしば日本人と韓国人の仕事の進め方の違いで頭を抱えていた記憶もあります。特に大きなイベントの仕事とかで大勢の日韓スタッフが混じり合って作業をした場合、下記のような場面が少なくなかったですね。

韓スタッフ ぺさん、日本のスタッフはマメ過ぎるよ。何であそこまで細かく追求するんですかね。日本人ってみんなそうなんですか?

日スタッフ ぺさん、韓国のスタッフはこちらの意見を全然聞いてくれないしマイペース過ぎるよ。韓国人ってみんなこんなんですか?

大堤、こんな具合です。第3者の立場で両者を見つめると何て言うか絶対融合が効かない「水と油」のようだなって。こういう風に両サイドから同時多発で苦情が発生した場合、僕はその水と油の境界線に立って無国籍人のようなスタンスで構えるしかなかった。そうしないとこんな揉め合いなんか延々と解決出来ないものです。

なぜ、こんな事が起こるのか?自分なりに深く考えた事が何回もありますが、お互いの違いを尊重しようとしないからじゃないですかね。

違う国で生きて来た人間同士だから、その気質も国民性も働きっぷりも違うのが当たり前。

逆に違うのが当たり前だという認識を最初からはっきり持って、接すれば日韓の間で発生するあらゆる問題をある程度は防げると思うんです。

仕事の共同作業も、個人的なお付き合いも、このスタンスで丁度いいんですよ。変なプライドと偏見を捨ててお互いの異なる部分を尊重する姿勢。相手を批判する前に自分自信を見つめ直す謙遜な態度。これこそが「グロバール時代の鉄則」ではないでしょうか?

2011年、真夏の思い出

2011年に邱で行われた世界陸上選手権大会。2年に一度開催されるこの国際大会のメインスポンサーは日本の企業であるT社。大会期間中にこのT社のプロモーションブースを設置して、一般観客に抽選でグッズを配ったり、特殊なLED画面を用いて記念写真を撮ってあげたり、会場内のVIPルームを運営したりの大仕事を日韓のスタッフで行ったのです。

ロケハンの段階から日本側のスタッフとは和気藹々の雰囲気で、準備期間から最後の打ち上げまで良い意味での緊張感と一体感を保てる事が出来たと自負します。

朝から夕方までの仕事が終わると邱の隅々の酒場で毎晩「チャミスル日韓戦」が繰り広げられていました。日韓のみんながお互いを励まし合い、そして1日の疲れを「乾杯コール」で吹き飛ばしていたあの真夏の日々を僕はいつまでも忘れないでしょう。

そして、当時日本側の責任者だったD社のFさん。今でも東京へ行くと満面の笑みを浮かべて暖かく迎えてくれる貴方の友情に感謝します。あの時の俺らって本当にいい顔してたね!

후카야

↑みんなが涙ぐんでいた打ち上げの日・F氏&ぺ氏。

最後に

長い年月、様々な現場で共に汗を流したテレビ界の皆様にこの場を借りて感謝の気持ちを伝えます。そして、水と油の境界線でいつも奮闘しているコーディネーターの皆さんの健闘を祈る!!最後に日韓よ、早く仲良くなって、仕事をくれ〜(笑)

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マッコリマン
tomodachinguのソウル本部長です。
主に企画をしたり、取材をしたり、文を書きます。
「韓国のこんなことが知りたい」という方はメール下さい。