『Vol.23』2016年アカデミー賞の注目作品

どーも、どーも、『アカデミー賞研究所』のペ所長です。

今週の月曜に全世界の映画ファンが注目する中、盛大に行われた2016アカデミー賞。三食の飯より映画が大好きな僕としては毎年欠かさず生放送でその模様を楽しく拝見しております。

特に今年は、韓国人俳優初でビョン様こと『イ・ビョンホン』がプレゼンターとしで登場する嬉しい場面もあり、さらにレオ様の初受賞が実現されるのかどうかで話題性も盛りたくさんでしたね。

そんで今日の研究所では、今年のアカデミー賞主要部門の受賞作品の中から個人的に最もお気に入りだった映画を何本かご紹介しようと思いますのでぜひぜひ最後までお付合い頂きたい。

『レヴェナント:蘇えりし者』

これまで『ディカプリオ』がなぜオスカーを取れなかったのか。個人的な見解を言わせて頂きますと彼の『童顔すぎる容貌』が邪魔になっていたのではないかと思えるんです。過去にノミネートされたどの作品でも申し分ない演技力を見せていたレオ様ですが、いつもどっかで「この役を演じるには顔が若すぎるんじゃねーか」という違和感を多少とも感じていました。

まぁ、ジョニー・デップも、ブラッド・ピットも、未だにオスカーとは縁がないのを踏まえても「オスカーは役柄がイケメンすぎる俳優を嫌う」という方程式でもあるののかなぁと。あのダニエル・デイ・ルイスさんが過去に3度も主演男優賞を手にした事実を見てもまあ納得できる話ではないでしょうかね。

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で、話を本題に戻して。この映画に出てくるレオの姿は最初から最後まで悲惨な姿に一貫するわけで、野生の熊ちゃんにボロボロに切り裂かれるわ、馬に乗ったまま岸から落とされるわ、冷たい川に流されるわで、イケメンどころか顔の輪郭さえ見えないシーンがほとんど。なお40分間もセリフが出ない長〜いシーンを迫真の身動きで引っ張っていく演技力まで。まぁどんな人が審査員を務めるにしても止むを得ず1票を投じるのであったでしょう。

この映画は本当に見応えのある場面ばかりで最後の最後まで目が離せない。今すぐレンタル屋さんへ駆けつけてDVDを借りて下さいと言いたくなるほどの名作であります。

『ルーム』

個人的に最も好む映画の種類って何かというと。「この映画は一体どこへ飛んでいくのだろう」と思わせてくれるほど先の展開が読めないモノなんです。そしてこの作品はそんな僕の嗜好に物の見事に応えてくれた『珍しいストーリー性』を持った映画。

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17歳の女の子が一人の悪党に拉致されて7年間も汚い小屋に監禁されては子供まで生んでしまうといった衝撃的な内容。特に外の世界を全く経験しないまま小さい部屋に閉じ込められて育っていく娘の心理状態が観てる人の目を引きつけるのです。あと、小屋から脱出する場面といい、その後の険しくて空い生活ぶりの描き方まで、監督さんの繊細さがピカイチ光る傑作。

『スポットライト』

世紀のスキャンダルとも呼ばれた宗教絡みの実話に基づいて製作された映画。カトリック信徒である僕としてはどうも信じられない内容でもあったのですが、真のジャーナリズムとは何かをとうとうと見せつけてくれる力強い作品なのです。なお加害者である神父たちの姿をほとんど見せず、新聞社のスクープ班の取材活動だけを徹底的に貫く見事な脚本と企画力が際立つ名作。

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人間の本性の一つである性欲を抑えて生きていく神父と呼ばれる聖職者たち。その究極の犠牲に伴う病弊が未成年者へのセクハラ行為に繋がる実態をどう受け止めればいいのか深く考えさせてくれる作品でもあります。

最後に今年のアカデミー賞で一つだけ残念に思えたこと。それは助演男優賞の受賞を逃した『スタローン』の存在です。まぁ確かに彼の『ロッキーシリーズ』にはもう飽きたと評する人も多い。だけど、40余年の歳月をロッキーで生きてきた彼のしつこいとも言える執念は大いに認めてあげるべきではないでしょうか。と思っているのは僕だけですかね…。

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マッコリマン
tomodachinguのソウル本部長です。
主に企画をしたり、取材をしたり、文を書きます。
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