映画「新感染」を
ご存知だろうか。

街に現れたゾンビは
瞬時に感染して繁殖し
あっという間に国じゅうに広がった。

yanchikiiのイラスト
テレビに、ネットに、街の商店街に、
挙句の果てには友人のSNSプロフィール写真まで
凄まじいスピードで浸透していった。

この浸透力の強さ
新感染」を観た時に
妙に僕の中でシンクロしたのだった。

マッコリマン×ヤンキョンス
マッコリマン
君がイラストを提供した本って、
もともとは日本の著書だよね?
ヤンチギ
はい。 偶然にも、
似たようなコンセプトのイラストを
SNSで猛烈発信していた時期に
編集者からオファーがきたんです。
マッコリマン
オレは日本語でも読んだけど、
理不尽な労働環境という題材を
真正面から真摯に向き合った本だよね。
ヤンチギ
はい。
だからこそ、
ぼくの茶目っ気あるイラスト
選ばれたのかなって思うんです(笑)
マッコリマン
そうだね。
本のシリアスな内容と君の奇抜なイラストって
合わないようで、見事にマッチしているしね。
編集者の狙い通りの効果が得られたんじゃないかな。
ヤンチギ
実は、本がヒットした後、
それに近いことを言われましたね。
マッコリマン
けっこう話題になってたもんな。
君のイラストがいきなり夕方のニュース
画面に出てきた時は仰天したよ(笑)
ヤンチギ
まったく、予想外の展開でしたね(笑)
マッコリマン
その本のヒットで、半年くらい後に、
初のイラストエッセー集が書店に並ぶわけだね。
ヤンチギ
はい。とにかく編集者の仕事が速いんですよ。
マッコリマン
そりゃ、勢いに乗ってる時にどんどん出さなくちゃ。
ヤンチギ
なんだか、
無我夢中で進めていた感覚でしたね。

yanchikii初のイラストエッセー集

yanchikii初のイラストエッセー集

yanchikii初のイラストエッセー集

マッコリマン
出版後の反応はどうだったの?
ヤンチギ
凄かったですねー。
マッコリマン
ちょっと…、何がどう凄いのか、
例をあげて説明してくれないかな(笑)
ヤンチギ
えーとですね。例えば、毎日本屋さんに行って、
自分の本が並んでいる様子を
こっそり覗いていたりしたんですよ。
マッコリマン
それは、結構楽しそう(笑)
ヤンチギ
「この本、売れてますか?」って、
店員さんに尋ねたりもしましたね。
マッコリマン
あはははは。で、店員さんの反応は?
ヤンチギ
エッセーでは、今一番売れています」って。
マッコリマン
そりゃ、嬉しいよなー。
ヤンチギ
はい。もう夢のようでした。
マッコリマン
そこまで、君の本がヒットした原因は、何だと思う?
ヤンチギ
うーん…。そうですねえ、よく言われたのが、
「見ていて気持ちがスカッとした」とかですかね。
韓国では、よく「サイダー〇〇」って言うんじゃないですか。
マッコリマン
うん。うん。サイダーを飲んだ時の
スッキリした気分を例えて、よくそう言うよね。
ヤンチギ
あのー、ぺさんは、どう思ったんですか?
マッコリマン
オレ?
あの…一般市民の立場で言わせて貰うと、
当時って、大統領のあの騒ぎ(※)があったりしてさ、
権力の濫用」に対する反感が物凄く高まってたわけね。
(※朴槿恵大統領の弾劾訴追)
ヤンチギ
はい。分かります。
マッコリマン
君の本は、ほとんど「受け身の反撃」で成り立つけど、
皆、それを見て代理満足したというか、
一種の快感のようなものを感じたんじゃないのかなって。
ヤンチギ
あぁ、それは、面白い見解ですね。
マッコリマン
で、本に出て来るサラリーマンやOLさんって、
受け身の立場で嫌な上司と向き合っているけど、
不思議なことに、皆笑顔なんだよね。
yanchikii初のイラストエッセー集より

yanchikii初のイラストエッセー集より

yanchikii初のイラストエッセー集より

yanchikii初のイラストエッセー集より

ヤンチギ
あぁ、はい。ぼくのイラストの特徴ですね。
マッコリマン
そこが何とも言えない雰囲気を醸し出していると思う。
ヤンチギ
それも、よく言われましたね。
マッコリマン
あと本の中に、こう…何枚か、
ジーンと来るようなイラストがあるのよ。
ヤンチギ
えぇ〜!ど、どこですか?
マッコリマン
これ、これ。

他人と違う生き方をするために
今日も他人と同じ生き方をする

他人と違う生き方をするために、今日も他人と同じ生き方をする

他人と違う生き方をするために、今日も他人と同じ生き方をする

ヤンチギ
あぁ、それは、
タイトルにしようかどうか迷ってたイラストです。
ヤン・キョンス
マッコリマン
やっぱりね。で、もしこの本が、
日本で出版されることになったら、
これをタイトルにした方が絶対いいと思うよ。
ヤンチギ
なるほど。参考にします(笑)
マッコリマン
で、どうなの? その後の収入は?
ヤンチギ
え? いきなり、収入ですか?(笑)
マッコリマン
広告を物凄くやっていた印象があるんだけど。
ヤンチギ
はい。本がベストセラーになってから、
一気に広告のオファーが80本ほど入って来ました。
マッコリマン
な、なぬー?
80本??
ヤンチギ
はい。それはもう、大変でしたねえ(笑)

<つづきます>

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「絵を描く時が一番幸せです!」

ヤン・キョンス

1984年1月26日・韓国ソウル生まれ

各種SNSで「絵画王 ・ 梁治己(ヤンチギ)」
のペンネームで、大学生、サラリーマン、
主婦など、一般人の共感を得るユニークで
多彩なイラストを制作する一方、
現代の目線で再解釈した仏教美術を
専門とする現代美術家として、
国内外で活発に展示活動を行っている。

2015 ノルウェー「Maidans Fastival」作品展示
2016~2017 オランダ国立世界文化博物館
「THE BUDDAHA」作品展示
2016.05.25 「あ、『やりがい』とかいらないんで、とりあえず残業代ください」(日野瑛太郎作)
韓国語翻訳へのイラスト提供
2016.11.15 イラスト・エッセイ集 出版『실어증입니다. 일하기 싫어증』(オウア)
2017.04.13 「キム課長(KBSドラマ)職場白書」イラスト提供
2018.03.29 イラスト・エッセイ集 出版「JOB多なCUT」(ウィズダムハウス)

ABOUTこの記事をかいた人

makgeolliman

マッコリマン
tomodachinguのソウル本部長です。
主に企画をしたり、取材をしたり、文を書きます。
「韓国のこんなことが知りたい」という方はメール下さい。