【第15回】叔父ちゃんとの思い出

当時、日本で食べた和食の中で「何が一番美味しかったのか」と質問されたら、僕は1秒も迷うことなく『焼き鳥』を挙げるのだろう。五反田付近の市場らしき通りにあった狭くて小汚ない立ち食いのお店ではじめて食べた焼き鳥の味を今でも忘れられない。

なかでも、僕の大好物は『鳥の内臓』。そのコリコリとした食感と甘いダレの味がたまらなく好きで、毎回一人で10本以上は食べていたかと思う。そんな僕を見て、父は「子供のくせによく内臓とか食べれるよな」と言っていたような記憶がある。

叔父ちゃんから教わった日本語

日本にいる間、家族は一人暮らしをしていた末っ子の叔母ちゃんのマンションに寝泊りしていたが、僕だけは観光をする時を除いてはだいていの時間を2番目の叔母の家で過ごした。

2番目の叔母は日本人の男性と結婚しており、彼と一緒に麻雀のお店を経営していた。しかし結婚してだいぶ長いと言うのに子供がいない。だからなのか、お二人は僕のことを異常に可愛がってくれた。叔父ちゃんはぽっちゃりした体格で優しそうな顔をしてる人で、人柄もよく暇さえあれば僕に日本語の単語を一生懸命教えてくれたのである。

そんな叔父ちゃんは、1週間に3回は僕と叔母を近所の小さなお寿司屋さんへ連れてってくれる太っ腹ぶりも見せていた。僕は毎回大好きだったエビのお寿司を絶え間なく食べていたが、たまにわさびの辛さで顔を歪めると「あららら、ビール一杯飲む?」と男らしい豪傑笑いをしていた。

さらに酔いが回ってくると「この間、教えた日本語、言ってみな」と身振り手振りで合図を出す。すると僕は大きいな声で「おチンチン」と叫ぶのだが、その度に店内で大爆笑が起こっていた(お客のみんなが近所の常連さん)。まぁ二人も涙を流しながら笑い、毎度「ナイス!」と親指を立ててくれたり。

因みに普段叔父ちゃんが教えてくれた日本語は何かというと、「おチンチン」→「おま◯◯」→「おっぱい」→「美人ですね」→「ちゅ〜して」→「付き合って下さい」のようなウケ狙いの言葉ばかりだったのである(笑)。

テレビと雑誌がエロすぎる

そんなある日。たまたま叔母ちゃんの家で留守番をすることになった僕。何気なくテレビの時代劇を観ていたら風呂場のシーンで、なんと女性たちが『おっぱい』を出しているのを発見! 思わず飲んでいたカルピスを吹いてしまった。「う〜む。女性のおっぱいをみたのは少1の時にオンマと行った銭湯の女子風呂以来だなぁ」と思いつつ、何とも言えないムラムラ感に包まれた僕。

その後も家族みんなで観ていたテレビアニメ『ルパン三世』に出てる女性のセクシーな姿に顔を赤めたり。さらに叔父ちゃんの机の上に置いてあった雑誌の中に何枚も載っていた『おっぱいポロリン』の写真を見て、一人でなんとなく興奮していたのを覚えている。

まぁ、『性に対しては世界一厳しい国』である韓国では滅多に見られないモノだったし、個人的にも準思春期の真っ最中だったので、ごく自然的な現象だったのではないかと。それに韓国も早くこういう風にならないのかなぁとマジで考えていたのも事実である(笑)。

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次回の連載は1月27日(水)に更新予定です。

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マッコリマン
tomodachinguのソウル本部長です。
主に企画をしたり、取材をしたり、文を書きます。
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