連日、北朝鮮の度を過ぎた挑発が続いているこの頃ですね。
この間、東京へ出張に行った時も日本の各局が北の情報を流していたり全世界のメディアも注目している。
はやく、방구&Peaceの世の中になって欲しいものです。
さて、今回は北朝鮮とばあちゃんに関するエピソードをご紹介します。
時は1983年2月25日。
マッコリマンが小学5年生の時だったかな。
平和に満ちていた週末だったと覚えています。
偶然にも当時、野球監督だった父のチームの試合が生中継されていたので、ペ3兄弟とばあちゃんはテレビを観ながらゴロゴロしていましたが、その時。
「ウ〜ウ〜」とサイレンが鳴る。
(あの時代の韓国には北朝鮮の攻撃に備えて月一度の民防衛訓練が全国で実施されていました。今もたまにやる気のないイラっとくる訓練は続いていますが・・)
「あれ!今日、民防衛訓練の日だったの?」
とばあちゃんの呟きが聞こえた途端。
突然、テレビの画面が切り替わり
興奮気味のおっちゃんのアナウンスが流れる。
「国民の皆様、この放送は実際状況です!
只今からソウル中部地域に空襲警報を発します! 国民の皆様・・・(省略)」
「空襲警報??」
ペ3兄弟の細い目が一瞬にしてウォンビンの丸い目に変わる。
「これって・・せ・・戦争・・??」
ばあちゃんの顔色は真っ青にとどまらず、紫に近い色に変化。
そして、上目で何かを思い出している様子。
(朝鮮戦争を経験しているばあちゃん)
「ちょっと、出て来るわ!皆、大人しく待ってろ!」
と叫んだばあちゃんは靴も履かずに裸足で家を飛び出す。(光の速度でした)
家に残された3兄弟はパニック状態。
正確に10秒後(パニック状態の記憶)荒れた息でばあちゃんが家に戻る。
頭の上にはデカい段ボール箱が。
次のステップは家中のカバンを集めてさっさと買って来た物を入れ込む。
3兄弟の通学用のリュックも大活躍でした。
「これで避難準備は終わった!父ちゃんと母ちゃんが帰って来るまで待つ!!」
しばらくして、ニュース速報が流れました。
全国をパニックに落とした主人公は北朝鮮のイ・ウンピョン大尉。
彼は北朝鮮空軍所属で何とミグ−19という戦闘機に乗って超高速低空飛行の裏技を見せながら韓国に亡命して来たという。
当時は脱北という言葉自体も珍しい時代で、テレビのドラマに出て来る北朝鮮軍人のイメージはめっちゃコワイ顔をした冷血漢だったのですが、ニュースに顔を出したイさんは身長180でそこそこの美男。
北の体制に嫌気がさして、自由を求めに亡命したと落ち着いた声で記者会見に答えていました。
ニュースを観て、安心したばあちゃんはその場でへたり込む。
我々3兄弟は六つのカバンに入っている物を一つずつ取り出してみました。
カップラーメン、各種缶詰、お菓子、ロウソク、マッチ、食パン、などなど。
そして、何故なのか女性用のパンティーも入っていました。(笑)
その後、父ちゃんと母ちゃんが帰宅。
夕食の時には家族皆でパニック状態の話に花が咲きました。
ばあちゃんが買って来たパンティーで大爆笑!!
夕食後、みんなでテレビのニュースを観ましたが
「あなたはその時、何をしましたか?」と街頭インタビューが流れていました。
賢く見える若者が「私は自分が住んでいる街を守ろうを思っていました!」
と答えているのを観て、ばあちゃんは
「うん。うん。韓国男児は頼もしいね」
とリンゴを一口食べながら可愛い微笑みを見せる。
2013年の現在。
ばあちゃんも父ちゃんも、あのイ・ウンピョン大尉もこの世にはいない。
そして、あの日のエピソードは我が家族の強烈な思い出として残っています。
あの日のばあちゃんの微笑みが懐かしくなり、涙ぐんでいる今日この頃です。