『Vol.22』韓国語vs日本語

〇〇研究所

どーも、どーも、『日韓言語研究所』のぺ所長です。

その間、愛用していたノートパソコンが故障するトラブルが起こり、なんと2週間ぶりの更新になってしまいました。まぁ理由はともあれ、このコーナーの更新を待っていた方がおられるようなのでこの場を借りてお詫びを申し上げます。…という反省の気持ちを込めて今日も元気よく参りたいと思います。

さて、今日の研究所。なんとなく似てる兄弟にも見えるのだが、深く追求すればするほどその違いに戸惑われてしまう『日本語と韓国語』の翻訳にまつわるエピソードをネタにしようと思いますのでぜひ最後までお付合い頂きたい。

韓国語に翻訳困難な日本語がある

コーディネーターの仕事をしていると日常茶飯事のように、企画書や台本から、各種媒体の記事、場合によっては裁判の判決文まで、様々な文章を翻訳せねばならない。で、たまに知らない単語とかが出てくるとポータルサイトの辞書で検索をするわけですが、それでも出てこない言葉がしばしばあるのです。

数年前、とある日本の女性雑誌から『韓国女性100人にアンケート』をとって欲しいというオファーを受けて、アンケーット用紙に書いてあった10項目の質問を翻訳していたら、どうしても引っかかる言葉が一つあったのです⇩

「あなたは『勝負パンツ(下着)』を何枚持っていますか?」

うむ。勝負パンツか…確かに日本ではよく使われるけど、韓国では全く通じない言葉なんだよなぁ。そのまま『승부팬티』って直訳しても、みんな意味分かんないと思うしなぁ…困ったなぁ…。

僕はしばらく悩んだ挙句、勝負パンツの説明をこう記載したのです。

「すごくお気に入りの男性とのデートに臨む時、履いていく下着。つまり彼と一夜を共にすると心決めた上、厳選して着用する下着のこと」

まぁ出来るだけイヤらしくない文章にしたかったので、多少ややこしい説明になったかもですね。しかし当時は「なんで韓国語には『勝負パンツ・승부팬티』という言葉がなくて俺に面倒をかけてんだよ〜」って腹を立てていた僕であります(笑)。

日本語に翻訳困難な韓国語だってある

次は逆のバージョン。

同じく数年前のこと。日本の某テレビ局のとある番組のスタッフから最近の韓国ドラマの動向を取材したいので、どんなドラマが流行っているのかジャンル別でなるべく詳細にリサーチをして欲しいというご依頼を受けたのです。

で、当時のサスペンス刑事物だとか、医学ドラマ、恋愛系ドラマ、ケーブルテレビのコメディドラマなどなど盛りたくさんのドラマの情報を資料にまとめる最中、またもや引っかかるジャンルがあったのです⇩

それは、他でもなく『막장드라마・マクジャンドラマ』

まぁ韓国のドラマに詳しい方なら聞き慣れたジャンルかと思いますが、日本語でどう書けばいいのか見当がつかず、下記のように説明をつけたのであります。

「めちゃくちゃ愛していた旦那がとある事故で行方不明となるが、どうやら旦那は記  憶喪失症にかかっているらしい。奥さんは5年間旦那の行方を追いかけて全国を彷徨うが見つからず、結局他の男と恋に落ちて再婚し男の子が生まれる。一方、記憶を失った旦那はど田舎の山奥で他の女性と同棲をしてる間に女の子をもうける。20年後、その『男の子女の子』がたまたま出会い恋に落ちて結婚を決める。そしてお互いのご両親が顔を合わせる場面。『あ、あなたは…私の旦那だったでしょ?』。その瞬間、元旦那は奇跡的に記憶が戻り、二人は号泣し熱く抱きしめる。だが、なんていう運命のイタズラなのか。結婚を決心した『男の子と女の子』の間には既に子供が…」的なドラマです。

長すぎるんですって? だって仕方ないじゃないですか。無理やり翻訳をすると『泥沼劇』とかで表現できるにしても、「それってなんですか」って聞き返してくるに決まってるんですもの(笑)。

発音がめっちゃ似てる言葉もあるよ

昔、日本の某テレビ局の人気番組『あるある大◯◯』から、めちゃくちゃ日本語の発音に似てる韓国語の言葉をとにかくたくさん送って欲しいというオファーが来て、これでもかと思えるくらいの数を送り返したら。「ぺさん、これめちゃ面白いじゃないですか。これで是非ロケをしたいです」という返信が返ってきました。

『微妙な三角関係』
『미묘한 삼각관계 =ミミョハンサンガッカンケ』

まぁ確かにどの韓国人が発音しても、まるで日本語に聞こえちゃうほど発音が似ている『幻の言葉』でありますね。

のちに僕は日本からやって来たディレクターさんと一緒に朝から晩までソウルの街角を転々としながら、100名以上の人に『미묘한 삼각관계』をただ単に言ってもらうハードなロケを行ったのです。そしたら、オンエアー後にそこそこ反響があって、さらに高視聴率まで獲得。みんながハッピーな想いをしたことであります。

しかし言葉の勉強というのは本当に遠くて険しい道程ですよね。やっと一山超えたと思った途端、すぐ様『どデカイ山』が目の前に現れるといった試練の連続。でも、そんな過程で少しずつ発展していく自分の姿に喜悦を覚える時だってあるのではないでしょうか。

僕もキリのない日本語の勉強を延々と続けているのですが、年齢からくる記憶力の低下で悪戦苦闘を繰り返しているんですよ。まぁ言葉の勉強は少しでも若いうちにたくさんしておいた方がいいかもとしみじみに思う今日の今頃です。

それではまた〜그럼 또 만나요~

〇〇研究所

ABOUTこの記事をかいた人

マッコリマン
tomodachinguのソウル本部長です。
主に企画をしたり、取材をしたり、文を書きます。
「韓国のこんなことが知りたい」という方はメール下さい。