映画「新感染」を
ご存知だろうか。
街に現れたゾンビは
瞬時に感染して繁殖し
あっという間に国じゅうに広がった。
yanchikiiのイラストは
テレビに、ネットに、街の商店街に、
挙句の果てには友人のSNSプロフィール写真まで
凄まじいスピードで浸透していった。
この浸透力の強さが
「新感染」を観た時に
妙に僕の中でシンクロしたのだった。
はい。 偶然にも、
似たようなコンセプトのイラストを
SNSで猛烈発信していた時期に
編集者からオファーがきたんです。
似たようなコンセプトのイラストを
SNSで猛烈発信していた時期に
編集者からオファーがきたんです。
オレは日本語でも読んだけど、
理不尽な労働環境という題材を
真正面から真摯に向き合った本だよね。
理不尽な労働環境という題材を
真正面から真摯に向き合った本だよね。
はい。
だからこそ、
ぼくの茶目っ気あるイラストが
選ばれたのかなって思うんです(笑)
だからこそ、
ぼくの茶目っ気あるイラストが
選ばれたのかなって思うんです(笑)
そうだね。
本のシリアスな内容と君の奇抜なイラストって
合わないようで、見事にマッチしているしね。
編集者の狙い通りの効果が得られたんじゃないかな。
本のシリアスな内容と君の奇抜なイラストって
合わないようで、見事にマッチしているしね。
編集者の狙い通りの効果が得られたんじゃないかな。
実は、本がヒットした後、
それに近いことを言われましたね。
それに近いことを言われましたね。
けっこう話題になってたもんな。
君のイラストがいきなり夕方のニュースの
画面に出てきた時は仰天したよ(笑)
君のイラストがいきなり夕方のニュースの
画面に出てきた時は仰天したよ(笑)
まったく、予想外の展開でしたね(笑)
その本のヒットで、半年くらい後に、
初のイラストエッセー集が書店に並ぶわけだね。
初のイラストエッセー集が書店に並ぶわけだね。
はい。とにかく編集者の仕事が速いんですよ。
そりゃ、勢いに乗ってる時にどんどん出さなくちゃ。
なんだか、
無我夢中で進めていた感覚でしたね。
無我夢中で進めていた感覚でしたね。
出版後の反応はどうだったの?
凄かったですねー。
ちょっと…、何がどう凄いのか、
例をあげて説明してくれないかな(笑)
例をあげて説明してくれないかな(笑)
えーとですね。例えば、毎日本屋さんに行って、
自分の本が並んでいる様子を
こっそり覗いていたりしたんですよ。
自分の本が並んでいる様子を
こっそり覗いていたりしたんですよ。
それは、結構楽しそう(笑)
「この本、売れてますか?」って、
店員さんに尋ねたりもしましたね。
店員さんに尋ねたりもしましたね。
あはははは。で、店員さんの反応は?
「エッセーでは、今一番売れています」って。
そりゃ、嬉しいよなー。
はい。もう夢のようでした。
そこまで、君の本がヒットした原因は、何だと思う?
うーん…。そうですねえ、よく言われたのが、
「見ていて気持ちがスカッとした」とかですかね。
韓国では、よく「サイダー〇〇」って言うんじゃないですか。
「見ていて気持ちがスカッとした」とかですかね。
韓国では、よく「サイダー〇〇」って言うんじゃないですか。
うん。うん。サイダーを飲んだ時の
スッキリした気分を例えて、よくそう言うよね。
スッキリした気分を例えて、よくそう言うよね。
あのー、ぺさんは、どう思ったんですか?
オレ?
あの…一般市民の立場で言わせて貰うと、
当時って、大統領のあの騒ぎ(※)があったりしてさ、
「権力の濫用」に対する反感が物凄く高まってたわけね。
(※朴槿恵大統領の弾劾訴追)
あの…一般市民の立場で言わせて貰うと、
当時って、大統領のあの騒ぎ(※)があったりしてさ、
「権力の濫用」に対する反感が物凄く高まってたわけね。
(※朴槿恵大統領の弾劾訴追)
はい。分かります。
君の本は、ほとんど「受け身の反撃」で成り立つけど、
皆、それを見て代理満足したというか、
一種の快感のようなものを感じたんじゃないのかなって。
皆、それを見て代理満足したというか、
一種の快感のようなものを感じたんじゃないのかなって。
あぁ、それは、面白い見解ですね。
で、本に出て来るサラリーマンやOLさんって、
受け身の立場で嫌な上司と向き合っているけど、
不思議なことに、皆笑顔なんだよね。
受け身の立場で嫌な上司と向き合っているけど、
不思議なことに、皆笑顔なんだよね。
あぁ、はい。ぼくのイラストの特徴ですね。
そこが何とも言えない雰囲気を醸し出していると思う。
それも、よく言われましたね。
あと本の中に、こう…何枚か、
ジーンと来るようなイラストがあるのよ。
ジーンと来るようなイラストがあるのよ。
えぇ〜!ど、どこですか?
これ、これ。
他人と違う生き方をするために
今日も他人と同じ生き方をする
あぁ、それは、
タイトルにしようかどうか迷ってたイラストです。
タイトルにしようかどうか迷ってたイラストです。
やっぱりね。で、もしこの本が、
日本で出版されることになったら、
これをタイトルにした方が絶対いいと思うよ。
日本で出版されることになったら、
これをタイトルにした方が絶対いいと思うよ。
なるほど。参考にします(笑)
で、どうなの? その後の収入は?
え? いきなり、収入ですか?(笑)
広告を物凄くやっていた印象があるんだけど。
はい。本がベストセラーになってから、
一気に広告のオファーが80本ほど入って来ました。
一気に広告のオファーが80本ほど入って来ました。
な、なぬー?
80本??
80本??
はい。それはもう、大変でしたねえ(笑)
<つづきます>
「絵を描く時が一番幸せです!」
1984年1月26日・韓国ソウル生まれ
各種SNSで「絵画王 ・ 梁治己(ヤンチギ)」
のペンネームで、大学生、サラリーマン、
主婦など、一般人の共感を得るユニークで
多彩なイラストを制作する一方、
現代の目線で再解釈した仏教美術を
専門とする現代美術家として、
国内外で活発に展示活動を行っている。
2015 | ノルウェー「Maidans Fastival」作品展示 |
---|---|
2016~2017 | オランダ国立世界文化博物館 「THE BUDDAHA」作品展示 |
2016.05.25 | 「あ、『やりがい』とかいらないんで、とりあえず残業代ください」(日野瑛太郎作) 韓国語翻訳へのイラスト提供 |
2016.11.15 | イラスト・エッセイ集 出版『실어증입니다. 일하기 싫어증』(オウア) |
2017.04.13 | 「キム課長(KBSドラマ)職場白書」イラスト提供 |
2018.03.29 | イラスト・エッセイ集 出版「JOB多なCUT」(ウィズダムハウス) |
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もともとは日本の著書だよね?