1971年生まれのマッコリマンが語る、過去―現在―未来。
【第28回】バブル経済の日本
1990年3月。正確に言うと、30分後にウェイターデビューを控えていた、とある金曜の夜。僕は先輩の李さんに連れられて、六本木交差点から少し離れた場所の見知らぬ建物に入って行った。そこは男性従業員たちの更衣室として使われて…
1971年生まれのマッコリマンが語る、過去―現在―未来。
1990年3月。正確に言うと、30分後にウェイターデビューを控えていた、とある金曜の夜。僕は先輩の李さんに連れられて、六本木交差点から少し離れた場所の見知らぬ建物に入って行った。そこは男性従業員たちの更衣室として使われて…
当時の僕の日本語の実力といえば、ひらがなをやっとマスターした程度。なので面接と言っても、当の本人である僕は一言も喋らずにただ目をパチクリさせている状況であった。まぁ第3者が見ていたとしたらKさんと店長による面談に見えたか…
夜中に日本の繁華街を訪れるのは初めてだった。どうやら『六本木』という街らしい。人波で溢れる交差点で信号待ちをしながら道路の向かい側に目をやったらタクシー乗り場を起点にして長蛇の列が出来ていた。 「えっ? 日本はタクシーの…
1990年春、僕はサンパウロ国際空港のラウンジに座っていた。日本行きのJAL便に乗り換えるまでは5時間も空いている。ビールをちびちび飲みながらぼんやりと通り過ぎる旅行客を見ていたら、なんとなくアルゼンチンで過ごした4年間…
家の庭の真ん中。空を見上げてタバコを吸っているハルモニの後ろ姿が見える。僕は何度も「ハルモニ〜ハルモニ〜」と声をかけるが、一向に振り向いてくれない。 「ハルモニ、どうしたの? 何を見ているの?」 ハッとして目が覚めたら飛…
1985年の韓国。オリンピック開催を3年後に控え、ソウル市内では江南地区を中心とした大々的な都市開発が行われていた。『より綺麗な街に』、『より先端な都市に』、『とにかく発展途上国から先進国へ』と様々なスローガンが飛び交う…
ソウル市教育庁は教師が10万ウォン以上の『촌지・寸志』を1度でも受け取った事実が認められると罷免・解任など重懲戒する『ワンストライクアウト制』を施行している。それにより、不法賄賂の処理件数は2013年10件、2014年8…
80年代の韓国。超高度経済成長期というので国中にお金が溢れ出していたのが政治界の裏側では汚いワイロが乱舞し、社会の隅々に不正腐敗が蔓延していたと言われる。そして、それは教育界も例外ではなかったというのだが…。 中2の頃。…
中1の秋頃から中2の新学期を迎えるまでの半年間。僕は背骨がぐっと伸びるのを実感できるほど、身長が伸びた。おそらく生涯で最も発育が旺盛な期間だったのであろう。それに、まぁ当たり前かも知れないが、『性に対する好奇心』だって勃…
小学生の頃は男の子のロマンとして中高生の制服姿にすごく憧れを持っていた。だが、中学に進学する1983年になって、いきなり教育部(文部省)が『頭髪&制服自律化』の施行を発表。僕は普段着のまま中学の入学式に臨んだ『第一世代』…