『Vol.15』奥様を励ます会を開きました

どうも、どうも、『人妻研究所』(いやらしい意味じゃないよ)のぺ所長です。

新年早々『David Bowie殿の悲報』から『SMAPの解散』まで、ビッグニュースが飛び交う騒がしい世の中ではありますが、今日も元気よく参りたいと思います。

皆様は男女の間に『友情』が成立すると思いますか?

僕の答えは『YES』です。但し、どっちかが既婚者、あるいは両方既婚者という条件付きでの話ですけどね。両方が未婚者となった場合、よっぽどのことがなければ、恋愛関係へ発展する可能性が極めて高いと思います(まぁ個人的な見解ですが)。

『Mちゃん』

日本のプロ野球界のとある名将の方はこんなことを仰いました。

「自分がどん底に陥った時、側にいてくれる人こそが親友である」

全くもって同感です。実は僕もちょうど40歳を迎えた頃、いろんな事情で暗黒期たるモノを経験したことがあるのですが、自分が立ち直るまで温かい言葉を惜しまなかったのは家族を除くとたった一人の女性でした。彼女は大学の同級生で、あれこれ20数年の付き合いをしている一個年下の人妻(韓国人)であります。まぁここでは『Mちゃん』と呼びましょう。

彼女と出会ったのは日本で留学をしていた苦学生時代。あ、僕の場合、他の男友達で、今でも頻繁に酒場で顔をあわせる仲間は留学時代に出会った人が多いんです。これはですね。なんつーか。韓国の男たちって10人集まったら8人は必ず軍隊の話で盛り上がるんじゃないですか。そこには軍隊に行ってない人には絶対分からない『共感』みたいなモノが存在するからなんだと思えます。これと同じく、僕と留学時代の友達は苦しい時代を一緒に生き抜いた『同志愛』とも言える強い絆で結ばれているような気がしてなりません。

まぁそんなMちゃんとは、疲労感たっぷりの留学生活の友として、当時住んでいた埼玉県エリアの安い居酒屋を転々としながらよく生ビールを飲んだことです。そんな風に一緒に過ごす時間が徐々に増えていき、だいぶ友情も深まったと想っていたある日突然。僕は彼女に対する自分の気持ちが『友情』なのか、『恋』なのか、すっかり分からなくなったのです。

『恋』を捨てて『真の友情』を手に入れる

このように友情と恋の境界線で悩み苦しんでいた僕。その気持ちを彼女に打ち明けるのも照れ臭くて、当時の僕の相談役をしてくれた40代後半の日本人のアジョシに会った時、躊躇いながら切り出しました。「ちょっと、悩み事がありまして…(省略)…ということなんです」。

そしたらタバコをくわえて、僕の話に耳を傾けていたアジョシはしばらく考え事をしてから口を開きました。

アジョシ「うーむ。そんなことがあったのか。それは辛いのー」。

僕 「はい。ちょっと辛いっす」。

アジョシ「ぺ君さ、念のために聞くけど、その子と『エッチ』がしたいのか?」。

僕 「は?いやいやいや。そんなことはないっすね。逆にエッチがしたいんだったら、こんな相談もしないと思います」

アジョシ「そうだよなー。そこがポイントでもあるけどな」

僕 「兄貴、そのポイントが何なのかをぜひ…」

アジョシ「あのさ、俺が見てるぺ君は色気のない女性とは絶対付き合えないと思うんだ。まぁ何となく分かる(笑)」

僕 「ほぉ〜。いいとこに気づきましたね(笑)」

アジョシ「俺の経験から言わせて貰うと彼女と下手に付き合い出したら長続きはできないと思うよ。そしてその子との縁もそこで断ち切られてしまうことだろう。まぁ死ぬまで付き合える女友達が一人いるのも悪くないと思うんだ。迷うことなく『恋』を捨てて、『友情』を手に入れたたまえ。以上!」

そのアジョシの単純明快かつ、鋭いアドバイスを聞いて、僕は何となく吹っ切られたような気分になりましたよ。そして、彼の言葉通り、彼女への『微妙な恋心』をばっさり捨てたのであります。

その後は、次々と恋愛に失敗して現れる僕に対してMちゃんは「しばらく連絡ないなぁと思ったら、また女と付き合ってたのか。オッパはいつになっても女心が分からないんだからね〜」とよく意地悪を言った。そしたら僕は「君みたいにエッチもしたことない奴にそんなこと言われたくないんじゃ〜」と反撃したり(笑)。

いつまでも俺が励ましてあげるよ

そんなわけで、これまで約20数年間、僕とMちゃんは家族ぐるみでいい関係を保ているのです。さらに一年前、僕が経営するお店から歩いて3分辺りの場所に引っ越して来た時なんかは「お前、人妻になってからも俺につきまとうをやめてくれないか」と口癖のように言っているのですが、内心嬉しかったですね。

でも、一人娘が小学校に入ってからのMちゃんは、家事に、子育てに、大学の講師の仕事に、大変な毎日を送っているのです。そこで、2年前から、『Mちゃんを励ます会』を開いている僕です。半年に一度旦那の了解を得た上で、二人で飲みにいき彼女が発する『子供と旦那の愚痴』の数々を溜まって聞いてあげたり、少し酔いが回ってくるとカラオケに行って大学時代に流行っていた懐かしい歌謡曲を一生懸命歌ってあげたりするのがやっとのことですがね。

たまには二人でベロンベロンになって、旦那が待ち構えているMちゃんの家に押しかけることもあります。まぁそういう時はMちゃんの旦那も一緒になってだいていワインを飲みますが、僕は旦那に向けて「ちょっと、旦那さんよ〜。Mちゃんがどれだけ苦労してるのか分からないでしょう。洗濯とか掃除くらいは手伝ってあげなさいよ〜」とデカイ態度を見せるのです。

そしたら隣に座ってるMちゃんは「そうだ。そうだ。もっと言ってやれ〜」と調子に乗って大声で暴れ出す。しかし僕と旦那が手を組んでいるのをMちゃんは知らないんですよね〜。僕は帰る際、「先はごめんな」と旦那にウィンクをします。すると「いいの。いいの。むしろ助かるんだよ」と彼はニコッと微笑んで毎回ウィンクを返してくれるのです(笑)。

あ、最近は僕とMちゃんの関係を羨ましく想っているMちゃんの友達(人妻)が加入してきたので、『奥様を励ます会』に発展しつつあるのです。チャンスがあれば、日本の奥様のみなさんもぜひ参加してみてくださいね。

それではお休みなさい〜。

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マッコリマン
tomodachinguのソウル本部長です。
主に企画をしたり、取材をしたり、文を書きます。
「韓国のこんなことが知りたい」という方はメール下さい。