【Vol.6】プレミア12の日韓戦を語る

昨日、韓国の優勝で幕を閉じた世界野球「プレミア12」。

準決勝の日韓戦。

8回まで日本の野球ファンは誰もが勝利を確信した事でしょう。一方、韓国の野球ファンは怪物大谷を前に、手も、足も、屁も出ない韓国打線に溜息ばかりの展開でしたね。

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上記は準決勝の次の日、ツイッターあるフォロワーさんから頂いたリプライです。恐らく、これが日韓戦の全てを物語ってくれるのではないかと思いますね。日本の皆様にとってはどうしても後味の悪い試合だったに違いない。

今回はこの日韓戦についてただの野球好きである僕の個人的な観戦評を少し書いてみようと思います。

日韓の戦力の差

今大会に臨んだ韓国代表は、打線でいうと史上最強の戦力を整えたと言えます。しかし、最終的に大物ピッチャー4人が離脱してしまい投手力は打線とは打って変わって過去最低の戦力。特に先発ピッチャーの面々を見るとどうもピンと来ないほど駒が足りなかった。つまり打力で乗り切るしかなかったですね。

一方、日本代表は順調な世代交代を迎えて、小久保監督を含めた若々しいチームに生まれ変わった印象でしたね。客観的に見ても実に投打のバランスがよく取れていて、韓国よりは一段上の戦力にだったのは認めざるを得ない。

そして、怪物大谷

いやいやいや。恐れ入りました。噂では聞いていましたが、あれだけいいピッチャー、いえいえ、「世界一のピッチャー」だったとは思っていませんでした。一早く、アメリカへ渡り、東洋人としては前代未聞の200勝ピッチャーになって欲しいと心から願っております。

しかし、140㌔台の高速フォークは大リーグの強打者だって打てませんね。昔、大魔神と言われていた佐々木投手のフォークだって130㌔台だったですもの。

まぁ、韓国にも身体能力だけは大谷に負けない選手が多数いるのですが、そこまでいいボールを投げるピッチャーはいない。バッターはともかく、ピッチャーの育て方は日本に負けているなぁって実感したとこですね。

勝利のシナリオを作りすぎた日本

準決勝の日韓戦。勿論、僕もネットで生中継を観ていた訳ですが、5回が終わった段階で、このままじゃ大谷にノーヒットノーランで抑えられるかもと冷や汗をかいてましたね。そして、8回裏が終わり、9回表に入る直前、中継のカメラが日本ベンチの小久保監督を5秒ほど映していました。それに気づいた方がいるのでしょうか。僕は「小久保さん勝てるのに凄く複雑な表情してるな」とふと思ったのです。まるで、「この試合はすんなり終わらないかもな」と言ってるかのような顔でしたね。

まぁその後の結果は、皆さんも知っている通りです。

僕が考えた日本の敗因は「勝利のシナリオを事前に作りすぎた事」です。これは勝負の世界ではやっちゃいけないと個人的には思っています。例えば、準決勝戦の前に決勝戦の先発ピッチャーは武田翔太だと堂々と発表した日本のマスコミ。何といっても他の国(韓国、メキシコ、アメリカ)には失礼に当たる。悪く言えば「ナメすぎ」です。

あと、日韓戦を終えての記者会見で小久保監督は「最初から7回まで大谷、8回から則本で決めていた」とおっしゃいましたが、これがまた違うんですよね。

「勝てる事を前提にした戦略」「勝つための戦略」は大いに異なるのです。勝利のシナリオは試合中、臨機応変に書き直してもいいのを新米監督の小久保さんは分からなかったかもしれません。僕は「早く、大谷を下げてくれ」と祈っていた韓国ベンチの裏をかいて大谷を完投させるべきだったと思うんですよ。

「何があっても完封で抑えろ」となぜ大谷に言えなかったのか?球数にも余裕があったし、文句ひとつ言われないように大谷の一手で韓国をへし折って、その雰囲気を決勝戦へ持ち込む「ハッピーエンド」のシナリオが最も良かったのではないかと思った自分です。まぁ、結果論の一つに過ぎないですけどね。

昨日の決勝戦を前に韓国のキャプテン「チョン・グヌ」選手は「万が一優勝しても、旗を持ってグラウンドを走り回るようなパフォーマンスは禁じると後輩たちに念を押した」と言っていました。地元ファンの皆様に失礼にあたると判断したそうです。まぁ、良くやった。彼を褒めたい。

しかし、毎回思う事ですけれど、日韓戦にはいつもドラマありですね。次回は2017年のWBCですか。小久保監督もこの大会で多くの事を学んだ事でしょう。

僕も全盛期の頃の小久保選手をよく知っているだけに応援しています。(特に巨人軍にいた頃、大ファンでした)

あと、小久保監督を敵に回しているマスコミのみんなも勘弁してくださいな。

それでは、今晩も飲みに行って来ます〜

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マッコリマン
tomodachinguのソウル本部長です。
主に企画をしたり、取材をしたり、文を書きます。
「韓国のこんなことが知りたい」という方はメール下さい。